総論 ◆第36節 縮小化のわきまえ
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第36節 縮小化のわきまえ


  1. 諸君に、わたくしが「やれ」と申し上げている作法上の型の中には、「大広間の中でやってこそ、確かに形になるが、これを、小さな室内でやったのでは、大げさになってしょうがない」というものが、いくつかある。
    これを、諸君が、小さな教室で、どう処理しておられるかを見ると、次の二手に、分けられる。

    1. 大広間と、同じように行われて、小さな教室の空気を波立てて、かえりみない。

    2. 小さな教室で行なうのが、うまくないと知っておられるまではよいが、そのため、ガタガタに、形をくずしてしまわれる。

    この2つとも、よくない。
    では、どうするか。
    答は、次のとおり。

    「大広間と、まったく同じに行なうが、しかし、動作を大きくしないし、カドが立たないように、注意して行なう」

  2. その例を挙げる。起立し、相手にものを言うとき、骨ばんを相手に向ける。物理的に、可能なかぎり。
    そのとき、足先の向きや足のならびがどうあろうと、骨ばんから上だけを、はっきり相手に向けてしまう。
    その動作が、ソフトなものとなるよう、注意する。

総論
[エージェントマンに作法は要るか] [作法とは] [作法の目的の分解] [作法は自分のためならず]
[「われわれ」の伸縮] [「より外なるわれわれ」のために] [互恵主義] [作法は森羅万象のためのもの]
[品物を大切にせよ] [与えられた文明には心が乗りにくい] [ゴツイ人物のやり方]
[自分自身がどうしてよいか分らないとき] [どうしようか迷っている相手に対しては]
[作法的なつもりで無作法を行なう者をどうするか] [改まり方・くずし方] [作法とサービス]
[作法と生産性] [心と型] [動機論か結果論か] [媚と反媚] [作法と自然さ] [作法の流儀]
[統一型作法と並列型作法] [欧米との流儀の融和] [アメリカ作法を見誤るな] [一般と特殊]
[3種類の動作] [作法と体型] [作法と風習] [作法と大衆] [作法と女性] [異なるセックス意識]
[作法とヤング] [雑音を嫌う] [あとしまつの技術] [縮小化のわきまえ]
[そこまでやるのか。そこまでやるのである] [作法のために頭が痛くなれ] [教授法での注意]
[説明するな] [作法研修先での注意] [この本での対象作法の限定] [この本の編序] [用語の約束]
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