総論 ◆第28節 作法と体型
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第28節 作法と体型


  1. 江戸時代より前の衣類で、こん日、残っているものを着てみると、いずれも大きい。つまり日本人の祖先は、男女とも、大きかったことがわかる。しかし、足は短かった。
    江戸時代に日本人は、努力して、小さくなったようである。
    こん日、足が伸びて、そのため、身長も伸びている。

  2. ヨーロッパ人は、中世に、やはり現代日本人より小さかったことが、彼らの残した衣類などからわかっている。
    が、身体は小さくとも、その割に、足は長かった。

  3. 食べ物や、生活環境から、人間は大きくなったり、小さくなったり、身長の中での足の長さの割合が変わったりする。

  4. 作法での仕草(しぐさ)は、その人にあった形を用いるのがよい。
    欧米でこうするからといって、そのまま、日本に持ってきても、その日本人の体型によっては、おかしな形になることがある。
    たとえば、背の高い、足の長い人物が床の上の物を拾うとき、片足をうしろに、ハネ上げるとよい。
    が、足の短い人物が、これを真似ると、サルが、スケートしているような形になる。

総論
[エージェントマンに作法は要るか] [作法とは] [作法の目的の分解] [作法は自分のためならず]
[「われわれ」の伸縮] [「より外なるわれわれ」のために] [互恵主義] [作法は森羅万象のためのもの]
[品物を大切にせよ] [与えられた文明には心が乗りにくい] [ゴツイ人物のやり方]
[自分自身がどうしてよいか分らないとき] [どうしようか迷っている相手に対しては]
[作法的なつもりで無作法を行なう者をどうするか] [改まり方・くずし方] [作法とサービス]
[作法と生産性] [心と型] [動機論か結果論か] [媚と反媚] [作法と自然さ] [作法の流儀]
[統一型作法と並列型作法] [欧米との流儀の融和] [アメリカ作法を見誤るな] [一般と特殊]
[3種類の動作] [作法と体型] [作法と風習] [作法と大衆] [作法と女性] [異なるセックス意識]
[作法とヤング] [雑音を嫌う] [あとしまつの技術] [縮小化のわきまえ]
[そこまでやるのか。そこまでやるのである] [作法のために頭が痛くなれ] [教授法での注意]
[説明するな] [作法研修先での注意] [この本での対象作法の限定] [この本の編序] [用語の約束]
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