総論 ◆第16節 作法とサービス
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第16節 作法とサービス


  1. 作法は、サービスの一部分である。

  2. サービスは、元来、売らなかった。で、作法ある行為も、元来、売らなかった。

  3. サービスは、現在、売ることを生じている。で、作法ある行為も売ることを生じている。

  4. では、サービスや作法によって、利潤追求するのか。わたくしは、そう考えない。

  5. 改めて、「生産」の問題と「支出」の問題を混同したくない。

  6. アダム・スミスの唱えた Homo Economicos (経済人)の概念を否定しなくてよい。人は、自分の欲望によってだけ生きている者でない。自分の欲望によって生きもするが、自分の損得を離れて奉仕することによっても生き甲斐を感じている者である。

  7. 商行為とは、何か。「交換」することである。ケインズは、「供給」を「生産」と呼んだ。寄付も交換も生産である。

  8. 「利潤」とは何か。提供したサービスによって生まれたものである。

  9. 生産者の主観が、利潤追求ばかりすると、そのサービスは、いやしく、進んでは、ダマシとなる。
    生産者は、ただ、ひたすら、サービスすればよい。
    利潤とは、結果として生まれてしまうものである。
    性交するとき、よい子供を造ろうと思いつつ、性交する者がいるか。性交するときは、ただ、相手を愛するために性交する。
    子供は、性交の結果である。子供のことを考えないで性交しても、子供という結果を生ずることは、神(自然)の摂理による。
    聖書の「明日をうれうるなかれ」(マタイによる福音書6章34節)もこれである。

  10. ただ、家計体でも、企業体でも、財政体でも、損をしてはならない。損すると、誰かに迷惑をかける。

  11. 損をしない方法は、利潤追求することでない。ムダな支出を少なくすることである。

  12. 「生産」にあっては、ただ、相手のために行なえ。

  13. サービスも作法も、ただ、相手のために行なえ。利潤追求のために行なうな。

総論
[エージェントマンに作法は要るか] [作法とは] [作法の目的の分解] [作法は自分のためならず]
[「われわれ」の伸縮] [「より外なるわれわれ」のために] [互恵主義] [作法は森羅万象のためのもの]
[品物を大切にせよ] [与えられた文明には心が乗りにくい] [ゴツイ人物のやり方]
[自分自身がどうしてよいか分らないとき] [どうしようか迷っている相手に対しては]
[作法的なつもりで無作法を行なう者をどうするか] [改まり方・くずし方] [作法とサービス]
[作法と生産性] [心と型] [動機論か結果論か] [媚と反媚] [作法と自然さ] [作法の流儀]
[統一型作法と並列型作法] [欧米との流儀の融和] [アメリカ作法を見誤るな] [一般と特殊]
[3種類の動作] [作法と体型] [作法と風習] [作法と大衆] [作法と女性] [異なるセックス意識]
[作法とヤング] [雑音を嫌う] [あとしまつの技術] [縮小化のわきまえ]
[そこまでやるのか。そこまでやるのである] [作法のために頭が痛くなれ] [教授法での注意]
[説明するな] [作法研修先での注意] [この本での対象作法の限定] [この本の編序] [用語の約束]
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