第32節 異なるセックス意識
- 日本では、目下、週刊誌などでのセックス公開が、花ざかりである。また、それに呼応するように、街場でのセックス話も、大っぴらなものになっている。トルコやモーテルも、盛んである。
- 一方、欧米に行くと、日本で考えられないカットなしのポルノ映画を、堂々と映画館で、やっている。
また、ポルノ雑誌専門店に行けば、とうてい、日本で許されない猛烈な本が、並べてあるし、ポルノ8mm 映画も、平気で売っている。
また、フリー・セックスの習慣も、日本より、罪悪感なく行われている一面がある。
別の形では、日本にないヌーディスト・クラブもある。
- そこで、欧米に出かけた日本人は、セックス開放についての先進地にやってきたように思い、日本でやっているよりも、もっと、伸び伸びと開放的に行動しようと、しやすい。
で、ガツンとやられる。
- まず、欧米人女性は、プレーボーイという雑誌を見るにも、人前で決して見ない。
ポルノ映画館に入ってみると、欧米人は、フーフーいって見ている。日本人は、ケロリと見ている。
わたくしは、ある欧米人に案内されて、ポルノ雑誌店に行った。なるほど、すごいなと思ったが、別に、興奮もしなかった。
ところが、案内して行った欧米人男子が、その1冊をひろげて立ち読みしだすや、ガタガタ、震え出し、フーフーいっている。「なんじゃい。こりゃ」と思った。わたくしのほうで、あっけにとられた。
- つまり、性公開やフリー・セックスは、かれらの世界でも、思い切った行為なのであり、一般人は、やりたくて、しょうがないが、それを、こっそり、やっているのである。
日本人より、セックスについて、すぐに、欲しがり、なんでもがセックスに関係したものに見え、それを、こそこそやっては、オーバーに興奮している。
つまり、日本人でいえば、中学生にあたる。
そこに、日本人の大人が、サラッとして、あけっぴろげをやらかすから、連中は、ビックリし、次には、日本人を野蛮人と見る。
- たとえば、男性客が、ホテル従業員である女性にトイレの位置を尋ねただけで、その女性は、侮辱されたと思ったり、顔を赤らめたりする。
- ホテルでも、異性の部屋に入るとき、ドアをあけっぱなしにする。
- 異性の前では、うっかり、靴も脱げない。
どうしでも、目の前で脱がなければならないときは、うしろを向いて、脱ぐ。
- こういった、欧米人のセックス意識過剰を知っていなければならない。
総論