第19節 動機論か結果論か
- 「わたくしは、いつも、自分のことより、人々のことを考えています。そこで、スマイルといった表面上のことに気を配るのは、相手と自分を卑しめるものと思います」
動機論的にのみ作法を追求すると、こういうことにもなる。
- 「わたくしは、相手を火の中から救おうと思ったので、相手を突き飛ばしたのです。で、相手は助かりました」
これは、立派な作法である。動機も、結果もよいから。
- 「わたくしは、相手を火の中から、救おうと思ったので、相手を突き飛ばしたところ、相手が、窓から落ちて、死んでしまいました」
これは、作法として半分アウト。動磯がよく、結果が悪い。
- 「わたくしは、相手を焼き殺してやろうと思ったので、相手を火の中に、突き飛ばしました。ところが、相手は、火の向こうまで飛んでしまい、かえって、助かりました」
これは、作法としてアウト。動機が悪く、結果のみよい。
- 「わたくしは、相手を焼き殺してやろうと思ったので、相手を火の中に、突き飛ばしました。うまく、相手は、死にました」
これは、動磯も結果も悪く、作法でない。
- 人は、まごころを込めて行なっても、人々に、迷惑をかけることがある。
このとき、迷惑をかけることまで考えない、まごころは、子供のまごころである。
迷惑を考えるまごころは、大人のまごころ。
総論
[エージェントマンに作法は要るか]
[作法とは]
[作法の目的の分解]
[作法は自分のためならず]
[「われわれ」の伸縮]
[「より外なるわれわれ」のために]
[互恵主義]
[作法は森羅万象のためのもの]
[品物を大切にせよ]
[与えられた文明には心が乗りにくい]
[ゴツイ人物のやり方]
[自分自身がどうしてよいか分らないとき]
[どうしようか迷っている相手に対しては]
[作法的なつもりで無作法を行なう者をどうするか]
[改まり方・くずし方]
[作法とサービス]
[作法と生産性]
[心と型]
[動機論か結果論か]
[媚と反媚]
[作法と自然さ]
[作法の流儀]
[統一型作法と並列型作法]
[欧米との流儀の融和]
[アメリカ作法を見誤るな]
[一般と特殊]
[3種類の動作]
[作法と体型]
[作法と風習]
[作法と大衆]
[作法と女性]
[異なるセックス意識]
[作法とヤング]
[雑音を嫌う]
[あとしまつの技術]
[縮小化のわきまえ]
[そこまでやるのか。そこまでやるのである]
[作法のために頭が痛くなれ]
[教授法での注意]
[説明するな]
[作法研修先での注意]
[この本での対象作法の限定]
[この本の編序]
[用語の約束]