第7章 飲食・喫煙
◆第37節 食事中のその他の注意
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第37節 食事中のその他の注意
【型1】食卓と20cm 以上離れているとき
- 日本間ででも、そうであるが、自分と机とのあいだが、20cm 以上、あいている形のまま、飲食しなければならないときは、皿か紙かを手に持ち、これらに食べ物を載せ、手もとに持っていって、飲食することになる。(コーヒー、紅茶などについても同じ)
- まず、こういうとき、机の上の食べ物をとって、そのまま、口に直行させず、いったん、手もとの皿、紙にとってから、口に持ってゆかれよ。
- 皿、紙などから手を離すとき、皿、紙などを、自分の膝の上に置かず、机の上に置かれよ。
- 皿、紙などを手に持っているとき、机の面よりも、下に下げられるな。
- 皿、紙などがないときは、自分のハンカチーフを代用してよい。
【型2】足を出しているな
- 食卓の下で、他の者と足のぶつかることは、はなはだ、失礼とされているので、足を投げ出していたり、横に開いていたりされるな。
- 万一、足がぶつかったときは、なにもいわず、相手に黙礼されよ。つまり、相手も失礼を犯したのであるから、そのことを、みんなに、わからないようにするためである。
- 異性が、いつのまにか、靴を脱いで、こちらの靴の上に、足をのせてきたり、両足で、こちらの足を、抱きかかえるようにしたならば、「こん夜、ご都合いかが」というサインである。ヨーロッパで、こちらの靴が、うっかり、先方の靴に触れてしまって、黙礼
したのを、先方が、1つのモーションと勘違いして、しばらくして、上記の信号を返され、それを、また、こちらが、うっかり「失礼」と口に出して、急いで、足を引っ込め、先方に大恥をかかせた日本人がある。もし、こういうことがあったならば、こちらは、足を、引っこめず、うっとりと夢見るような表情をしておられよ。先方が足を引いてのち、こちらも足を引かれよ。その晩、どうするかは、あとから、ゆっくり、考えればよい。
【型3】他の者の過失を知らん顔せよ
食事中、他の者の犯した、いっさいの過失に対しては、無表情、無関心の形でおられよ。
【型4】じゃがいも等が飛んできたとき
- 万一、じゃがいも、その他が、他の人のところに吹っ飛んでいったとき、長い手を出して、「ごめんよ」と、取ってはならない。そのほうに黙礼して、放っておかれよ。黙礼しても、相手が、知らん顔をするのが、作法であるから、こちらは、相手の反応があるまで、黙礼をくりかえしている必要もない。
- また、反対に、目の前に飛んできたじゃがいも等を、「ハイ、ごちそうさま」とばかり、パクリとやったりすると、ユーモアのつもりが、先方を、えらく、おこらせることになる。これが、異性であると、夫婦気取りを示したということになる。
食べ物が飛んできたときは、まず、知らぬ顔をし、7.5 秒以上経ってから、フォークを置き、その食べ物を手で取って自分の皿の右上に置き、ナプキンで、手を拭きながら、その相手一帯のほうを向いて、まったく、関係のない、なにか、まじめな話を、スマイルをもって切り出されることである。農業とか植物学の話などが、しっとりとしてよい。
【型5】卓下にものを落としたとき
机の下に、ナイフ、ナプキン、食べ物などを落としたとき、けっして、拾われるな。静かにウェーターを呼び、小声で、落としたことを告げ、その処置を、じっと、待たれよ。
【型6】咳のしかた
顔面を、3/4直角にし、咳の音を、小さくされよ。
このとき、手か、ハンカチーフかで、口を掩われよ。
ナプキンを使われるな。
【型7】くしゃみ等の仕方
- 食事中、音をたてて、くしゃみをすることを、なんとか、防止されよ。ハンカチーフを出しているいとまのないときは、ナプキンを使ってよいし、そのときは、小さく、うずくまって行われよ。第1発をナプキンで済ませたならば、すぐ、ハンカチーフを出して、相変わらず、うずくまったまま、あと始末をし、そのあと、両手の指を組んで、お祈りのように食卓のフチに掛け、そうして、2〜3秒してから、姿勢を正し、正面で、相手の皿より、いくばく、こちら側を見るように、頭を、こころもち、前倒し、3〜4秒経ってから、おもむろに、ナイフ、フォークをとって、食べ始められよ。
- 鼻風邪を引いているとき、鼻をかめない。このときは、静かに、中座し、トイレで鼻をかんでこられよ。
- 鼻音
人前、食事中に鼻をグチュグチュするのは、見苦しく、他の人に不決感を与えることになる。化粧室に行ってされるのが最も良いのであるが、急な場合は、ハンカチでおおい、ちょっと向きを変えてされるのが良い。(やはり、あまり音をたてられぬように)
【型8】つまようじの使い方
食卓に、「つまようじ」を出されたとき、これを、そこで使うには、ナプキンで口を掩い、下を向いてされよ。
なるべく、洗面所で使われること。東洋との考え方の相違である。
【型9】ウェーター
大勢のお客の中で、1人のお客が無作法な行為を、行なっているときの対処方法は、他のお客に、迷惑にならぬように、公の利益を優先する。
第7章 飲食・喫煙