第10節 行と字詰め
- ※ 論文は、原稿用紙を、タテ長として、横書きされ、マス目を無視しないで書かれよ。(△40)
- コクヨ「ケ35」のコマ割りで書かれれば、自動的に、きまってしまうことであるが、諸君は、どのような用紙(ただし、B6判より小さな用紙の場合は別)に文字を書かれるときでも、用紙の左端から右方に 2.5cm、用紙の上端から下方に 2.5cmの範囲には、文字を書かないような習慣をつけたまえ。
つまり、左を綴じても、上を綴じても、綴じる部分に文字がかからないようにするためである。
- さて、コクヨ「ケ35」は、1ページ20行で、コマを切ってある。
これを、諸君に、はなはだ、ぜいたくな使い方をしていただこうというのである。
- ※ まず、文字を、1行おきに書いていただく。
そのとき、この原稿用紙の奇数行にのみ文字を書き、偶数行には、けっして、文字を書かれないこと。(△40)
つまり、偶数行は、はじめから、枠が印刷してなかったと思われること。
以下、この文書心得で、「次行」とか何とかいうとき、すべて、奇数行だけが印刷してあると思い込んで数えるものである。そういう約束とする。
諸君が職場で書かれた文書を、年令50才を超えた方々にも読ませる必要があるとき、この方法を採られると、「読んでもらえる」。
- ※ つぎに、原稿用紙には、1行あたり、20字ぶんのコマ割りが印刷してあるが、左端と右端の各2コマずつを捨てて、16字ぶんしか印刷してないと思われること。(△20)
- 以下、この文書心得で、「行の左(右)端」というとき、前 5. でいう切りすてて考える部分は、「行の左(右)端」のそとと見なす。
- これも、いささか、ぜいたくすぎる方法と思われよう。
- たしかに、会社の上司に提出する文書を、こういうぜいたくさで書けば、諸君は叱られるかもしれない。
- が、もし、諸君が、自分の書かれた原稿を手に持って、立って、人に話をされるものとしよう。
- そのとき、このヨコ書き1行16字というラチが、自分で見ながら話せるラチであることを、発見されるであろう。
- ただし、例年、あることであるが、学生諸君の中には、この原稿用紙を用い、1行を、16字よりも少ない字数で書かれる方がある。
- こういうことを、されないように。(△20)
- つまり、新聞原稿とは異なるのである。
- 1行を、16コマに押さえるため、前 6. にいう「行の左(右)端」にタテ線を想念して、これを、以下、この文書心得で、「左(右)限線」と呼ぶ。
- この線を、引かれることは自由であるが、引くにしても、かならず、鉛筆を用いて引き、論文執筆後は、消しゴムで、きれいに消しておかれること。(△40)
- 諸君は、原稿用紙中、文字を書くスペースをはっきりさせるための下敷きを作成し、用いられるとよい。
- 論文は、図表をこめて、すべて、用紙の片面のみを用いて記述されよ。(△40)