第5章 立居振舞 ◆第21節 人前横切り
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第21節 人前横切り

【型1】水平自身長内本持たず
【型2】水平自身長内本持ち
【型3】水平自身長外本持たず
【型4】水平自身長外本持ち
【型5】並んでいる22人の前を通り抜ける
【型6】向き合っている2人のあいだを通り抜ける

教室・ロビー内などで、人が座わっているときに、10m以内に自分がいて、その人の前を横切ろうとするときに、行なう。
しかし、その人との間に、どちら向きにか座わっている人がいるときは、そこで、前横切りは、いらない。

図:88

前横切りは、次図の実線の範囲内で、行なう。

図:89

【型1】水平自身長 * 内本持たず
  1. 相手側の足が前に出たとき、相手側の手を身体につける。

    1. そのとき、相手側の手は、ズボンのぬい目に、そわす。

    2. そのときの手は、親指を中に入れ、4本指を、ピンと伸ばす。

  2. 同時に、相手に会釈をする。

    a.b. を、一挙動で行なう。

【型2】水平自身長内本持ち

左手で本を持つものとする。

  1. 相手が自分の右側にいる場合
    本を胸のわきの所でしっかりと持ち、右手と目で、あいさつをする。
    (本を持たないときと同じ)

  2. 相手が自分の左側にいる場合
    会釈のみで、あいさつする。
【型3】水平自身長外本持たず
  1. 相手側の足を出すとき、相手側の手を大きく引く。
    このとき、身体全体が、相手側に自然と向くが、まだ相手の目を見ない。

  2. 次に、相手と反対側の足が出た、その瞬間に、相手の目を、一瞬、見る。

    1. このとき、表情に注意すること。恐い目つきをされぬよう。
      少々、ほほえみを心がけられるように。

    2. とくに、女性は、表情を美しくされること。

  3. 次の瞬間で、正面を向かれ、すまして歩かれよ。
    図:90
    1. の範囲で左足が入る。
      この範囲を75cmと定める。(女子は65cmとする)

    2. 次に、の範囲で右足が入る。
      (相手が自分の右側にいるときは、この逆である)

    3. 最初、のろのろと10回位、練習する。
      このとき、「タッタッタッ1・2」 と自分で言うか、言ってもらうかする。

    4. 徐々に、スピードをつけていく。
      とくに、「1・2」 を、すばやく、行なう。
【型4】水平自身長外本持ち

左手で本を持つものとする。

  1. 相手が自分の右側にいるとき
    本を持たないときと同じで、左手で、本を持ったまま「1・2」と2挙動で、行なう。

  2. 相手が自分の左側にいるとき
    左手が使えないので、会釈のみ。一挙動で、行なう。
【型5】並んでいる二人の前を通り抜ける

並んでいる二人の前を通り抜けるとき、どうしても、その中のエライ人物にだけ、会釈して、もうひとりを、ぞんざいに扱いやすいものである。
二人に、「平等に」、そうして、「別々に」、会釈されよ。

【型6】向き合っている二人のあいだを通り抜ける

2名のあいだを 3m以内として、このあいだをが通り抜けるとき、ABのいずれが座っていようとも、いずれが上位の者であろうとも、

通り抜けられよ。
こうして、通り抜けようとするとき、小声で、「失礼申し上げます」(「Excuse me」)という言葉を、添えられるとよい。

【説明】

現代日本人は、平然と、人の前を通り抜ける。
が、欧米人は、どうしても、人前を通り抜けなければならないとき、かならず、「Excuse me」 と言っている。


第1章 立居振舞
[まい日の練習] [固くなるな] [カタギ身振りを取り去られよ] [ヘッコラされるな]
[身体つきのよい方よ] [個性とは] [全体のバランスを] [強さをも] [表情など]
[姿勢] [しゃがみ] [起立と着席] [歩行] [段などの昇降] [持ち運び] [振り返りなど]
[ドア作法] [うしろ向き] [手信号] [すれ違い] [人前横切り] [お辞儀] [握手]
[呼ばれての対応] [物品授受] [目上との同行] [紹介] [失敗対策]
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