第5章 立居振舞 ◆第18節 うしろ向き
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第18節 うしろ向き

【型1】うしろ向き
【型2】うしろを向いてあげる

 【型1】うしろ向き
  1. 恥かしいことをするとき、相手に背を向け、相手の方向に尻をつき出して行なうのが、失礼どころか、作法に適っている。(この点が、日本と異なる)

  2. ただし、ふんぞり返って、くるりと、うしろを向けば、やはり、こちらが相手に、悪感情を持っている意思表示となる。

  3. ぐるりと、取りかこまれてしまった中で、せめて、代表者にだけ、失礼にならぬようにしようと思うときは、こちらの自分を除いて、貴女目婚年訪 * によって優先順位を考えられるのがよい。
【型2】うしろを向いてあげる
  1. 相手が、こちらに対し、失礼を犯さないために、大きな苦労をしそうなとき、こちらがクルリとうしろを向いてあげるのがよい。

  2. こちらがベッドの中に寝ているときは、相手と反対側に、寝がえりを打ってあげるのがよい。
【説明】
  1. しばしば、欧米人は、フンワリと向こうを向いてしまう。
    あるいは、寝ながら話していたのが、フンワリと向こうを向いてしまう。
    こういうとき、われわれは、「なにか怒らせたかな」 と勘違いする。
    そうでなく、これは、彼らとしての、こちらを見ないための親切なのである。
    で、こちらは、場合によって、むしろ 「Oh,thank you very much」 と言ったほうがよい。

  2. 同じく、われわれも、フンワリと、相手に背を向けることを、親切と思うよう練習したほうがよい。
    背を向けたまま、ものを言っていれば、誤解も生じまい。

  3. どれだけ、親しくなっても、彼らは、こういう点での礼儀をくずさないし、こちらが、それを履行しなければ、それを、親しさととらず、あなどりととるクセを持っている。

  4. このクセについて、もう一言申したい。
    彼らは、キリスト教に支えられた、ハトとリスの住む平和郷を実現しているし、献身的に親切である。
    が、実は、それは、半面の事情なのであって、のこりの半面において、つい、このあいだまで、兄弟さえ、殺しあってきた野蛮社会に生きてきた。
    それに、獣をころし、その肉を食うことを通常としてきているから、惨ぎゃくなものを持っている。
    それは、彼ら同士が、取っ組みあいを始めたときに見ていて、よくわかる。
    女性同士でも、日本人女性のばあいと、まったく、ことなる。すさまじさを持っている。
    こういった点では、東洋人のほうが、はるかに進化した人種である。
    かれらの中の聖者とつきあうときですら、こういう点を呑み込んでいなければならない。
    すぐ、誤解する、心のもろい人たちであるということ。

第5章 立居振舞
[まい日の練習] [固くなるな] [カタギ身振りを取り去られよ] [ヘッコラされるな]
[身体つきのよい方よ] [個性とは] [全体のバランスを] [強さをも] [表情など]
[姿勢] [しゃがみ] [起立と着席] [歩行] [段などの昇降] [持ち運び] [振り返りなど]
[ドア作法] [うしろ向き] [手信号] [すれ違い] [人前横切り] [お辞儀] [握手]
[呼ばれての対応] [物品授受] [目上との同行] [紹介] [失敗対策]
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