第5章 立居振舞 ◆第4節 ヘッコラされるな
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第4節 ヘッコラされるな

【通解】


【通解】ヘッコラされるな
  1. 江戸の下町の職人は、ヘッコラした。

    明治時代以後、これが、全国に広がり、ヘッコラが、「庶民風」 をあらわす、1つの作法となった。

    で、いまでも、ヘッコラしないヤツは、「威張ってやがる」 と思う風習が、あちらこちらに残っている。

    このような風習は、日本においてのみならんや。
    ヨーロッパでも中世職人社会にあった風習である。
    ただヨーロッパでは、首をすくめ、両肩を上げて見せたり、両手をズボンのポケットにつっこんだまま、やたらに、物を蹴っ飛ばしたり、親しさをあらわすため、長い脚で、相手の尻を蹴ったり、ゲッと、笑ったあと、何くわぬ顔をしたり……。
    チャップリンの形は、だいたい、中世ヨーロッパ職人の形を、誇張表現したもの。
    で、これは、チャップリンの創案になる滑けいの形でなく、かれらから見れば、ロンドンのダウン・タウンあたりにあった、伝統的に、なつかしい 「庶民の形」 なのである。

  2. さて、こん日、こういった西洋風ヘッコラは、なくなってしまっている。
    それなればこそ、チャップリンの存在意義がある。

    なぜ、かれらは、ヘッコラをやめたのか。
    ほんとうに四民平等で、上品な社会をつくるのに、じゃまになったからである。

  3. 日本でも、ヘッコラは、やめたい。

  4. ヘッコラすることは、自分を卑下して示す行為のつもりでも、相手を、軽べつする行為となる。

第5章 立居振舞
[まい日の練習] [固くなるな] [カタギ身振りを取り去られよ] [ヘッコラされるな]
[身体つきのよい方よ] [個性とは] [全体のバランスを] [強さをも] [表情など]
[姿勢] [しゃがみ] [起立と着席] [歩行] [段などの昇降] [持ち運び] [振り返りなど]
[ドア作法] [うしろ向き] [手信号] [すれ違い] [人前横切り] [お辞儀] [握手]
[呼ばれての対応] [物品授受] [目上との同行] [紹介] [失敗対策]
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