第4章 美容と服装 ◆第5節 顔と手
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第5節 顔と手

【型1】洗顔
【参考】
【型2】顔毛の手入れ
【参考】
【参考】
【参考】男子の顔面用クリーム
【型3】手の手入れ


【型1】洗顔
  1. 男子は、1日に3回は、顔を洗うようにしたい。
    朝、昼、晩。これは、オシャレでなく、たしなみである。

  2. そのほか、外出から帰ったならば、かならず顔を洗いたい。

  3. つとめて、被服を脱いで、洗わないと、顔のまん中だけ洗うということになりやすい。

  4. つとめて、ぬるま湯を用いること。

  5. 両手に石けんをつけたならば、a. 鼻の両わき、b. ひたい、c. あごの裏、d. 耳のうしろ、e. 耳の穴、f. 首すじなどをアクセントとして、洗うこと。
    人は、こちらの顔を、正面からのみ見ているのでない。
【参考】

石けんの歴史を眺めておこう。
BC470年ごろというと、ソクラテスの生まれたころ。
アテネで、ドロドロした石けんを使って入浴する習慣が生じた。
これは、油と石灰をまぜたものであった。

つぎは、AD130年ごろ、ガリア人(いまのフランス人)が、固形石けんを発明した。
羊脂に、ブナとヨークとニレの木の灰を混ぜて固めたというから、大いなる研究の末、作ったものであろう。
で、はじめは、ブロンドやシロの髪を赤く染めるために、これを用いていたが、ついでに、洗濯にも使えることがわかり、着物や身体を洗うようになった。

それから50年経って、AD180年ごろ、こんどは、ローマで、人尿から洗剤を作ることに成功した。
アンモニアの利用ということ。
このため、洗濯業者が争って、「糞尿くみとり権」を政府に申請し、ローマ政府は、課税とひきかえに、共同便所くみとり権を、洗濯業者に与えたという。

1590年ごろ、中国で、はじめて、固形石けんがつくられた。
山東省で、灰と獣脂からつくり、石けんを使っての洗濯が東洋でも始まった。
東洋が、西洋よりも、石けん利用で1500年遅れたということは、こん日としては考えられない。
つまり、そのあと、400年で、東洋での石けん利用が完全に一般化している。
いいかえると、これからの世界の言葉、宗教までが1つになっていくのは、思ったより、速いかも知れない。

石けんに戻ると、日本人は、洗剤を、よく使う国民であるが、石けんで、手を洗う、顔を洗うといった点で、習慣的に、いちじるしく遅れている。

【型2】顔毛の手入れ
  1. 鼻毛の伸びを、まい日、点検されよ。

  2. ひげをつけるか、つけないか、また、つけるとすれば、どういうつけ方をするかについて、はっきりした方針を持たれよ。

  3. ホテルマンは、ひげを絶対に伸ばされるな。
【参考】

カミソリの歴史は新しい。
1460年ごろ、ヨーロッパで、鋼(はがね)の刃をつけたものが、ひげそりに使われ始めた。
それまでは、ヒゲも、はさみで切っていた。
また、生涯、ひげを切ったことのない人も、いっぱい、いた。
安全カミソリは、1900年、アメリカ人ジレットが発明した。
これによって、家庭でも、ヒゲソリが容易となった。

【参考】

BC80年ごろ、ギリシアのアテネで、理髪店が職業として確立したといわれる。
そのころ、アテネを中心として、ひげをそる習慣が広まった。
つまり、理髪は、ラテン人のためには、ヒゲからはじまった。

【参考】男子の顔面用クリーム
  1. 男子は、顔が荒れたりしたとき、奥さん用のクリームを、ちょっと、使ったりすることに用心されよ。
    ホルモンの調合が違うので、逆に皮膚をやられる。

  2. 男子の顔面用クリームは、極力、用いないのが男らしいが、とくに、皮膚の弱い方や、海・山に勤務する方々は、つぎのようなクリームを知っておられるとよい。

    スキン・ローション
    化粧水、皮膚にうるおいを与える。
    洗顔後または入浴後に使用。
    スキン・ミルク
    皮膚を保護する。
    (乳液で、ドロドロしているが、顔につけると、肌になじむ)
    スキン・クリーム
    脂っ気のないカサカサした皮膚に、うるおいを与える。
    で、皮膚にベタベタしているのであれば、よく拭きとっておくこと。
    シェービング・ローション
    ヒゲ剃りあとに、皮膚を引きしめる。
    (ちょっと、しみる感じがして、さわやか)
    シェービング・クリーム
    ヒゲ剃りあとのカサカサした皮膚、または、カミソリ負けを防ぐ。
    サン・オイル
    日焼けむらを防ぐ。
    夏、または、日差しの強い場合に使用。
    サン・シェード
    日焼け・雪焼けを防ぐ。
【型3】手の手入れ
  1. 食事の前には、かならず、手を洗うこと。
    つとめて、石けんを使うこと。

  2. 外出から帰ったならば、かならず、手を洗うこと。
    つとめて、石けんを使うこと。

  3. 手の爪をよく切っていること。

  4. マニキュアも可。男子は、エナメルをつけない。

第4章 美容と服装
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