第4章 美容と服装
◆第22節 女子のタウン・ウェア
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第22節 女子のタウン・ウェア
日本の社会において、一般的に着用している外出着が、タウン・ウェアである。
都心のホテル、デパート、気軽な訪問、大会社の事務員のビジネス・ウェア、通勤・通学服として用いる。
(参考) 第11節【型1】*
第4章11節【型1】を開きます。
日本には、四季があるので、冬服、夏服、合服と3通りの服装が入用である。
そのため、用意する服装の数も多くなる。
合理的に計画すれば、どこに行っても恥ずかしくない服装を持つことができる。
タウン・ウェアの中でも、素材などをえらべば、アフタヌーンドレス、または、スーツ、アンサンブルとして、立派に通用するものが、多いが、礼服およびアフタヌーンとの差別が、分からなくなり、タウン・ウェアでなんでも良いと、わりきるのは、常識がない。
【型1】ワンピース
ワンピースは、夏冬とわないが、気候に合わせて、着脱できないので、おしゃれ着に多くなる。
【型2】スーツ
スーツ、タウンウェアのスーツは、アフタヌーンスーツの素材より、中が広くなり、ラフな素材で丈夫なものでもよい。
- 生地
ウーステッド、ギャバジン、ウール、ツイード、ジャージー、リネン (ナイロン、ポリエステル、など繊維を含む)可。
カジュアル・ウェア用の素材不可 (デニム コードロイ、綿ギャバ、コーティングしてあるナイロンなど)
- テーラード・スーツ (男仕立て)
男仕立てで、ウーステッドなどで、男子服の衿形をまね、芯地や肩パッドを入れて、ポケットなども背広上着のように仕立てる。
ブレザーなどもその1つ、スボンのかわりにタイト・スカートなど、またはスラックスと組み合わせる。
パッチ・ポケット(外はりつけポケット)などが多い。
- スーツ
テーラード・スーツよりややソフトに、衿形も自由に丸みをつけたり、変化のついたものとし、ポケットもつけたり、つけなかったりして変化自由。
- シャネル・スーツ
パリのデザイナー、シャネル女史がデザインした女らしいスーツで、ブレードをふちにあしらったソフトな形が多い。
- ツーピース
スーツよりもニュアンスとして、もっと自由で、ブラウスとスカートの組み合わせまで言う。
【型3】ジャケット(上着)
- テーラード・ジャケット
男子背広のように折り衿のある上着(ブレザーなど)
- ジャケット
上着の事で、衿なし、丸衿など。上着丈も流行で長くなったり、短くなる。
- ショート・ジャケット、ブルーゾンなども流行してきたが、カジュアル的である。
【型4】スカート
- スカートの色
スカートの色は、上半身の着物の色との配合を考えるが、そのほかに、スカートが、下から見えるコート、半コート、ジャケットを着る場合、それらとの色の配合を考えられよ。
- タイト・スカート
タイト・スカートは、身体の動きがはげしいとき、きゅうくつである。
座敷で座る可能性のあるとき、タイト・スカートであると、まいってしまう。
- プリーツ・スカート
パーマネント・プリーツ加工がされているので、ひだがとれにくくなったが、よく、プレスして着用のこと。
あまり大きなチェックの巻きスカートなどはカジュアルなもの。
- フレアー・スカート
働くとき、大きなフレアー・スカート、ひだの多いスカートは不向き。
が、座敷に座るときは、プリーツ・スカート、フレアー・スカートのほうが足をくずすのによい。
ドレッシィなフレアー・スカートとワイシャツ仕立てのブラウスの組み合わせは、おかしいので、ブラウスの襟先を丸くするとか、素材をやわらかいものにするとか、工夫されよ。
- デニム (ソフトデニム・コードロイ) は、仕事着であって、その特色をいかすのがよい。
エスカルゴのように、デザインを派手にしても、カジュアル・ウェアである。
流行であっても、デニムで、ホテルのパブリック・スペースをのし歩くのは、やはり、ホテルのムードをこわすと見る。
- イスに座るとき
女子がイスに座られるとき、両手で、つるりと、お尻をなでるようにされるのは、下品である。
で、ヒザのうしろの少し上か、スカートの横をなでて、スカートのうしろが、しわにならぬようにされよ。
【型5】ブラウス
- 男の人のワイシャツに当るものであるから、TPOをかんがえて着用する。
- シャツ・ブラウス
綿、ポリエステル、ウールなどでワイシャツ仕立てにする。
衿もとのボタンをはずして、着用するのが流行だが、本来から考えれば、失礼にあたるので、やめたい。
ボタンは全部かけて着用するのが良い。
リボン、タイなどするのが良い。
- ファンシィ・ブラウス
アフタヌーン・スーツなど胸もとのデザインにより、上着の下に着用する。
レース、フリル、また衿もボウ・タイなどのやわらかいものが多いので、上着やスカートの素材に組み合わせて、着用する。
職場で働く方が、夕方、パーティなどに出席するため、ピラピラしたフリルやレースのついたブラウスを朝から用いるのは好ましくない。
フォーマルな場所に出かける直前に、着用するようにしたい。
そうしないと、働きの気分が、しまらない。
- 金、銀、サテンなど、光る布地は、Town Wear に用いない。
ラメ入りのセーターなどは午後のもの。
- 男子が上着を着用している場合は、女子も上着を着用し、ブラウスだけでないほうが、のぞましい。
【型6】パンタロン・スラックス、ホットパンツ、キュロット・スカート
本来は、カジュアルのなかで、スポーツのときスカートでは、不便なため、色々工夫されたものである。
近年、イブニング、アフタヌーンまで昇格した。
戦争で、女子も男子と同じに働かなくてはならなかったので、女子の服装のなかに定着した。
戦後も女子の靴下はやぶれやすいものであるし、防寒のためには、便利である。
トリコットの普及により、パンタロン・スーツなどが流行した。
学校では、着用をゆるしていない。
【参考】デザインの細部
《ネック・ライン》
《カラー》
《袖》
《ドレスのウエスト・ライン》
【型7】トリコット・ジャージー・ニット製品について
織物に対して、これらは編物であり、技術が進歩して、トリコット・ジャージー・ニットなど呼び方が色々あり、製品も多様である。
布地として裁断して仕立ててあるものは、タウン・ウェアとして、用いるものに多いが、太い糸の素材で編んだものは、セーター、カーディガンなどに使用され、カジュアルなものが多い。
第4章 美容と服装