第6章 和式作法 ◆第7節 茶のいれ方
前節 次節

第7節 茶のいれ方

【通解】茶のいれ方
【参考】

【通解】
  1. 茶を入れるには、次の様式に従うのが最も良い方法である。

    種 別 容 器 茶の分量
    茶を入れて
    さすまでの時間
    湯の温度
    番 茶
    どびん
    大さじ5杯
    即時
    100度
    (沸きたった湯)
    煎 茶
    急 須
    小さじ2杯
    1〜2分
    80度
    (やや落ちつくくらい)
    玉 露
    急 須
    小さじ4杯
    3〜4分
    50度内外
    (熱湯を5分くらい冷まして注ぐ)

    注意

    1. 水は、硬質ならびに消毒薬の混入したものを避け、軟質を選ぶ。

    2. お湯は、必ず1度沸騰したものを使う。

    3. 茶器は、なるべく金属製を避け、陶磁器を用いる。

    4. 戻(もど)りつぎと称して茶碗を並べ、1―2―3―4― ・・・・・ 4―3―2―1 というように、数回戻りつぎを行ない、濃淡なきよう入れる。

    5. 急須には、決して煎汁を残してはならない。


  2. 茶の種類
    お茶の種類は、その製法により、緑茶(不醗酵)、紅茶(醗酵茶)、烏龍茶(ウーロンちゃ・半醗酵)とに分かれる。
    また、緑茶を大別すれば、玉露・抹茶(典茶・てんちゃ)・煎茶・番茶・焙茶(ほうじちゃ)・芽茶(めちゃ)・粉茶(こなちゃ)・釜炒茶(かまいりちゃ・またの名を玉緑茶)などに分類され、番茶の高級品を川柳(かわやなぎ)といい、番茶のほうじたものを、焙茶という。

  3. 茶の鑑別法(みわけかた)・煎茶

    1. 色合は、濃緑のものがよく、赤味・黒味を帯びたものは悪い。

    2. 香気は強く爽快感のあるものがよく、青臭(あおくさみ)・こげ香・移り香・煙臭のあるものは悪い。

    3. 滋味は、ニガミ、甘味、滋味が調和しているものがよく、そのいずれかに偏しているものは悪い。


  4. 会席料理でのお茶とお菓子
    料理の前に、せん茶とお菓子が出される。
    お茶は、茶たくごと手前に引き、茶わんを右手に取り、左手は、軽く糸底にあてて口元に運ぶ。
210

【参考】

お菓子には、生菓子と干菓子があるが、いずれも大皿に盛って出されたら懐紙に取って、順々にまわす。
懐紙に受けたお菓子は、手で適当に割っていただく。

211


第6章 和式作法
[立居振舞] [座 礼] [立 礼] [座敷作法] [座ぶとんの作法] [日本茶の歴史]
[茶のいれ方] [日本茶の供茶作法] [和 酒] [接待側として、宴会の始まりまでのお酌]
[日本料理の概念] [日本料理の流れ] [本膳料理] [本膳料理の体系]
[茶懐石料理の沿革] [茶懐石料理作法] [宴会料理] [宴会料理食事作法]
ホーム
前節 先頭行 次節