第3節 立 礼
【通解】
ここでは、立礼を、立・正対・和・揖、立・正対・和・準最敬礼、立・正対・和・最敬礼の3種類とする。
この3種類の立礼は、上体を前傾したときの角度の違いによって分けられたものである。
【型1】立・正対・和・揖
- 正立の姿勢から、上体を前傾してゆく。
このとき、背すじはまっすぐにのばす。また、頭もまっすぐに上体にのせ、上体が前傾するのにしたがって移動するようにする。
頭だけ前に落としたり、顎が浮いて頭が後ろに残ったりしないように注意する。
上体は、15度まで前傾する。
- 視線は、上体を前傾させるにつれて移動する。
そして、畳の縦の長さ(180cm )前方に置く。
- 手は、正立の手の位置から上体の前傾につれて3〜4cm 下に移動した、ももの上に置く。
- 呼吸は、吸う息で上体を倒してゆき、吐く息で静止し、また、吸う息で上体をおこすようにする。
【型2】立・正対・和・準最敬礼
- 正立の姿勢から、上体を前傾してゆき、45度まで倒す。
視線は、1m 前方の床の上に置く。
- 手は上体を前傾させるにしたがって、ももの上をすべらせてゆき、膝頭の上 7〜10cm の位置に置く。
- 呼吸は、和・揖と同様、3息で行なう。
【型3】立・正対・和・最敬礼
- 正立の姿勢から、上体を前傾してゆき、70度まで倒す。
視線は、80cm 前方の床の上に置く。
- 手は、上体を前傾させるにしたがって、ももの上をすべらせてゆき、指先が膝頭に触れるまで倒す。
【説明】
和・揖、和・準最敬礼、和・最敬礼ともに、手は、かならず、上体を前傾させるのにしたがって、ももの上をすべらせてゆくこと。
手を、上体が前傾するよりも早く、下におろそうとしないこと。そのようにすると、背が丸くなってしまう。
第6章 和式作法