第6章
和式作法 ◆第10節 接待側として、宴会の始まりでのお酌
第10節 接待側として、宴会の始まりでのお酌
こちら側の社長は、向こうの社長およびそれ以下の者に、次々と酒を注いでゆく。
こちらの次席は、向こうの次席から注ぎ始めるのが作法である。
が、すでにして、こちらの社長が、かりに、向こうの第3席の者にまで注いでしまっていると見たとき、こちらの次席は、向こうの第4席以下に対して注いでいること。
こちらの次席以下は、こちらの上座の者が向こうに行っての、酒の注ぎまわりをくい止めるために行くと思えばよい。
図説
※
は、先方でその日にいちばんえらい人。
以下は、
に次いで、先方でのえらい順に並んでいる。
は、まず、進み出て、
から、
以下へと酒を注いでゆく。
このとき、
は、
より、いくばく遅れて、
から注ぎ始めようとつとめる。
こうすることによって、
は、
のみに酒を注げばよくなる。
(図1)
けれども、そのときの具合によって、すでに
が、
、ときには、
ぐらいまで酒を注いでしまっていることがある。
そのような場合、
は、まだ注いでもらっていない、
または、
以下に注いでいけばよい。
(図2)
以下の者は、
と同じようにすればよい。
つまり、
が、まだ注いでいない残りの客のうち、できるだけ、番号の若いところから注ぎ始める。
ところで
が、
、
へと注いでしまい、
が、出そびれているうちに、
が、
、
…と酒を注いでしまったものとしよう。
このような場合、
は、あとから出てゆく。
平気で、
の前にいたり、すでに、
の注いだあとから注げばよい。
そのとき、
は、相手方の第2杯目を注ぐことになるので、こちら側の、誰かのお酌にぶつかるまで、注ぎ進めなければならない。
結果として、
よりも、
のほうが相手方に行って、上座のあたりをうろつくことになるが、やむをえない。
は、
以下の者が、自分の右手から追って来て、となりまで来たと見るや、立ち上がって、自席にもどってよい。
あるいは、もういちど、
、
あたりに酒を注ぎ、一言ずつ、先方と会話をかわしてから、自席にもどってよい。
なお、
以下は、その場の空気によっては、
以下に酒を注いでまわられたほうがよい。
※
「おながれちょうだい」などは、なるべくしない。
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