「山小舎周辺の自然観察」講師 倉田 稔等々力先生のことみなさんこんにちは。ご紹介いただきました倉田稔と申しまして、1933年生まれ、昭和8年ですから68でそろそろお暇させていただく歳なんですが・・・(笑)。今私が一番やっていることは獣の歯を見て、これはあと何年生きるかを調べています。その計算の仕方を教えて回っています。人間は自分があと何年生きるか知らないんですね。限られた人生だから、一日一日輝かなければ損なんですよね。ただ、今日はそんな話はやってはいけないと、早川さんから云われていますから・・・(笑)。 今、(早川さんの)西條先生のお話で、青木湖の水が冬場30メートル下がった頃、私は大町第一中学校にいました。その時に体育の先生で、下の山小舎の主、等々力先生にお会いしたのが私の人生のカーブでございまして、そこからぐーっと曲がってきました。昼間は仁科三湖の研究を子ども達と、結局6年間やりまして、学生科学賞の長野県では知事賞、全国大会で文部大臣賞になりました。冬は等々力先生にスキーを習いまして、私達の習ったパラレルスキーというのは、昼はスキー、夜はウイスキーという両方でした。私達は怖くてスキーがハの字になっちゃうんですが、夜ウイスキーを飲んでやらせられると、脚がピタッと揃っちゃう、不思議なご指導でした。等々力先生には40年のご指導をいただいています。私がなぜここで自然観察会をやったかと云いますと、私も退職してその恩返しということと、先生の所にはいろんな生き物がいるんで、やることになりました。 エゾハルゼミは「ミョーキン、ミョーキン、ケッケッケッ」今日は獣の話は抜きにして、さっき蝉が鳴いていたんですよね。この蝉は、春鳴く蝉でハルゼミって云うんですね。長野県からずっと北海道までいるんです。唐松の木の根っこにつく、エゾハルゼミって云います。そんで、鳴いてるのは全部雄でして、母ちゃんは泣けないんです。抜け殻を三つ取ってきたんですよ。抜け殻見ると雄・雌わかるんですよね。父ちゃんの方はお腹の方に、玉が一つあるだけなんです。母ちゃんの方は、産卵管があるんです。三匹のうち、二匹は雄で一匹は雌です。等々力先生の所で半日歩くと段ボール箱一つ取れます。それで全部雄雌調べますと、だいたい雌が1に対して雄が2です。だから半分は雌と巡り会えないです。私も人に生まれて良かったと思ってホントに感謝しています(笑い)。ですから盛んに鳴いています。それで親になると、雄は玉2つになります。抜け殻には1つですから不思議ですね。今エゾハルゼミがいっぱい鳴いていますが、蝉はどこで鳴くか知ってるかって、子ども達に聞くと、だいたい木の上で鳴くって答えるんです。私の質問が悪いんだね。私達が泣くときは口で泣くんだが、蝉はからだのどこで鳴くかって質問しなくちゃいけないんだね。蝉はくちばしのストローで木に差し込んで樹液を吸うんだね。エゾハルゼミは唐松の樹液が大好きなの。だから唐松がいると必ずいるの。もう少し早くなると、ハルゼミって云うのがいて、それは赤松が好きで唐松には絶対こないの。食べ物好き嫌いがあるんですね。蝉はここ(腹側)に当てるもの持っているな。チチ(乳)あて。蝉は乳当て上げて鳴くんだね。私捕まえて、ここにセロテープ貼って実験したんだけど、そうすると絶対鳴けない。また、そーっとはいでやったら鳴いてましたけどね。生き物は何のために鳴いてるかっ ていうと、やっぱし相手を呼ぶんですよね。雄が木にとまって鳴いてますと、必ず近くに雌がよってきます。そんで雌は鳴き声のいい方に行くんですよ。エゾハルゼミっていうのは「ミョーキン、ミョーキン、ケッケッケッケ」って鳴くんです。知らない人は木の上で蛙が鳴いているのかって思うんですよ。ハルゼミは「ムゼー、ムゼー」って鳴くんですね。税金いらないってわけで、父ちゃん喜ぶ蝉ですね。信州で今二種類の蝉が鳴いています。 バッタの目は5つ、人の目は・・・今日はただお話しただけではいけないと思って、いろんな絵を用意してきました。なんだかわかりますかねー。これは蝉の幼虫ですね。土の中から出てきて、背中割って出てきます。これはダンゴムシ。落ち葉の中にいっぱいいます。それとこういうヤツもいます。どっちがムカデですかね。右ですね。左はヤスデ。からだが節でできていますね。一つの節から脚が両側に一本ずつ出ているのがムカデなんですね。ヤスデは一つの節から両側に脚二本ずつ出ています。だから一つの節から脚が四つ出ている。これがムカデとヤスデの違いです。ゲジゲジはどっちかというとこっち(ムカデ)の仲間なんです。自然界って云うのはポイントがわかっていると、これとこれが違うんだなってわかるんですね。今日もこの後植物いっぱいお話しますけど、おそらくみなさん一つも覚える必要ないと思う。みんな忘れちゃうと思うけどね。忘れたっていいんで、植物の分け方のポイントがわかればね。これ喰うと死んじゃうな、これ食べられるなって・・・。 みなさんこういうの見たことあります。なんの顔ですか。食べたことあるけど、見たことない・・・(笑い)。これバッタ、イナゴです。これ目ですね。バッタの目はいくつあるかっていうとね、大きい目がありますけど、おでこに3つあって、(全部で)5つある。大きい目は近いと仲間がいるなとか、餌があるなとか。おでこの目は、飛ぶときなど遠くを見るの。人間もあんでしょ。私達はいくつ目があるかっていうと、二つだけじゃないですね。もう一個あります。目の奥には脳味噌があるね。脳味噌のことを私達は心って云うわけだ。私達目が悪い場合は、目医者さん行きますね。眼科って書いてあるね。眼て云うのは、この目(両目)じゃない、目の奥の脳味噌のことなんで、人間も三つの目を持っていることになるね。だから婆ちゃん達だって歳取って目かすんできたって心の眼が光ってくるから、孫の顔見れば持ってるもの見抜くんだ。それがおばあちゃんの心の眼だね。いわゆる心眼ってわけだ。世界で日本だけの言葉で「まなざし」。小さい子どもに、「お前そんなことしてるとどんな人間になるかわかんないわー。」って云える。孫ってのは幼稚園なんかでなんかあって、家帰って一番にとびつくのは、まず爺ちゃんか婆ちゃんだな。孫って云うのは、爺ちゃん婆ちゃんの目を見ると、その暖かいまなざしがあるから、思いっきり飛びついて抱きついて泣いて、立派な人間になっていくんだ。母ちゃん達もまだ若いからできないわけだ。 これはわかるやね。カマキリもみなさん5つ目を持っている。これがさっきの蝉。ここに単眼て云って つあるんで、ここにセロテープ貼ると舞えないの。生き物ってすごいなーと思ったですね。これはみなさん見たことあるかなー。葉っぱ食べてる毛虫。アメリカシロヒトリってやつですけど。いくつ目があるかって云うと、片側に8個ずつ、16個の目で世の中見てるんだね。かなわないやねー。毛虫たちは自分が食べる葉っぱは絶対間違わない。人間なんか食べるもの間違えてるから、みんな早く死んでっちゃう。生き物の目を見るととっても不思議な事がわかる。たとえば、赤トンボっていうのは、こういう大きな目がありますよねー。そしてここに3つ目があるんですよ。(全部で)5つあるの。秋いっせいに何十キロって飛ぶときにこの目を使う。人間のこの両目って云うのは、悪くなるとお医者さんが直してくれるの。ところが心の眼って云うのは、お医者さんも直せない、自分でしか直せないわけだ。だから歳とって、ほんとにまなざしできる人って云うのは、目の達者な立派な人なんだよねー。オニヤンマだってここ(単眼)にセロテープ貼ると飛べない。不思議なもんですねー、生き物って云うのは。私達は目が二つしかないってよく云ってるけど、ちゃんと三つあるだよねー。心の眼がもう一つここ(おでこ)にある。だからお釈迦さんの写真見ると、心の眼がおでこに描いてある。 山を登る赤トンボ秋になるとこういう赤トンボ、川で生まれるミヤマアカネっていうのがいる。羽のとこにちょっと黒っぽい模様があるんですね。下の川で生まれると一生ずっとそこにいる。ところが、羽の先っぽだけ黒くなっているの、これノシメトンボ、これも池や川にいるんです。アキアカネは、羽が全部透明。世界中に赤トンボはいますけど、山を旅するのこいつだけです。中国でも台湾行っても絶対いません。日本の赤トンボが何で山を旅するようになったかねー、やっぱり山岳県だからかなーと思ったんだけど、北海道行っても旅するし、そうじゃないんだ。外国行くと全然そうじゃない。韓国行っても韓国の赤トンボは、田んぼで生まれて死ぬまでずーっといる。日本の山って云うのがなんか神秘的なものを持ってるんだねー、呼びつけるものを。カブトムシいますけど、卵で生まれて幼虫からさなぎになって、父ちゃんは角あるんだけど母ちゃんはないの。小学生にそういったら、「えー、おれの話はいっさい質問禁止。」って云ったんだけど「僕のうちのお母さん角あるよ。」って云うんだね(笑)。「お父さんがよく、お母さんの角は凄いって。」そういうのは違って、心の中の角だよって話したんだけどわからないらしくて・・・。カブトムシは昼間は落ち葉の下で寝ているんだね。太陽が沈んでね、1時間ていうとみんな這いだしてくるですよ。カブトムシっていうのは甘いのが好きなの。リンゴ食べたり、柿食べたりして残ったのは近くの山に行って幹の所に縛っておく。太陽が沈んで2時間たつと、いろんなカブトムシがいーっぱい来てね、汁吸っています。一番来るのがクリスマスケーキとか甘いやつで、カブトムシがからだ中ケーキだらけにして、なめてます。でもあんまり、からだに良くないんだけどね。これはアリです。アリって云うのは食べるとき、触角で香り嗅ぐんです。だからアリ捕まえて、触角切っちゃうと、何も食べられない。探せない。からだっていうのは、どんな部分でも働きを持っている。毛虫を今でも沢山飼っているんですけど、生まれたときは全部並ぶんです。毛虫も小さいときはからだとからだが触れあって安心するんだね。子ども達って群れて遊んだでしょ。でも今の子供達、テレビとかバラバラだよね。生き物の生き方としては非常に間違ってるよね。生き物って云うのは、お互い触れあいが必要。私達は触れなかったら言葉を交わせるでね。「おはよう」とか「こんにちは」とか。今触れあいも言葉もなくなってきたよね。私達は人間の世界にいるけども、ちょっと今の子供達は人間になるんかなあって、心配になるんですよね。子供なんて人権無いんですよ。殴ったり腰おろしたりして、そうして仲良くなっていく。そろそろ眠くなってきた、みなさんね。・・・「楽しんでます(笑)!」・・・会場より 虫好きの子は頭がいいこの下に、等々力先生のところにテントウムシがいっぱいいます。テントウムシは大きく分けると肉食テントウムシと植物食べるテントウムシがいるんですよ。植物食べるテントウムシは、菅平や筑波山でジャガイモの葉っぱを食べるんで害虫と云ってるんです。ところがアブラムシ食べるテントウムシね、いろんな模様の種類がいるんですけど、3種類しかいない。模様全部違うんだけど。こういうテントウムシが庭にいた場合には、バラでも消毒しなくていいんだね。ジャガイモ食べるテントウムシは星の数が28ある。ニジュウヤホシテントウって云って、害虫になる。それはみんな消毒します。一つの親から生まれたテントウムシでもみんな模様が違う。それを見るだけでも一夏の大きな課題になる。ところが今、子供達の中にもテントウムシを持てない子供がいる。なんか持つとお母さんが、虫なんか汚いからやめなさいって云うんだってね。だいたいそう云う子は早く死んじゃうよね。私達は子供の頃、虫を持ったり花に触ったりすると、その刺激が脳味噌に来る。だから、虫を持って遊んだ子は頭の非常にいいの。私達が小さいときはグループで遊んで、ガキ大将がいますよね。ガキ大将っていうのは、人の家の柿の取り方、リンゴの取り方とか、スイカの食べ方とか、絶対人に見つからないように教えたね。そういうガキ大将とかが町長さんとか、大学の教授とか、皆そうなってるわけだ。社会性ができるわけだ、小さいときから。早稲田は違いますよ。ちゃんと立派な人だから・・・(笑)。子供の頃は子供同士で遊ぶときに、いろんな生き物と遊ばなくてはいけないの。今その世界がない。これは日本だけです。台湾の高砂族のところに一年に二回行くんだけど、子供達はみんな畑行って、お母さんお婆ちゃんと仕事して、虫捕まえている。マツケムシって大きな毛虫がいて、私なんかは手のひらに載せてるんだけど、(日本の)子供達は絶対いじれない。そういう毛虫をいじれる子供って云うのは、感性が非常にいい。例えばきれいなお花見て、感性のある子供っていうのは、「きれいだな〜」ていうね。そういうのは右の脳味噌がいいから長生きするんだ。ところが感性の無い子供っていうのは、「あれ、お花だ」と云うとお母さんが「汚いから触っちゃいけない」って云うんだ。私達が健康で長生きするためにも、いろんなものをさわったり、なめたりすることが大切なんですよ。ですからよく言うの、ただ山に登ったりするんでなくて、行っていろんな生き物と行き会うということが、自分の人生にプラスになるってこと。このこと今、忘れられているだよね。みなさんがやっていることがなかなかできないね。 ヘビの唾は大人の知恵木の幹のところに良く唾がついてるね。これ、こっちの人が「ヘビのツバキ」だって子供に教えるの。そうすると子供は危険だから入ってこないの。大人たちの知恵だよね。ところが、こん中めくってみると虫がいる。草の汁を吸ってね、そいで乾いちゃうから自分のお尻から泡出している。泡嘗めてみると甘いんです。ところがこん中にいるよーって云うと、子供って云うのは興味があるから入っていく。ヘビイチゴも食べるとおいしいんだけど、こっちの人は毒だから食べちゃいけないと云う。そうすると子供は藪の中に入っていかない、危険にあわないって云うこと。これは大人たちのすばらしい知恵だよね。ヘビの唾だって云う。 これはみなさんわかるかね。コオロギですね。地獄行くとこういう顔をしているのがいる。閻魔さんていう。だからエンマコオロギ。羽をセロテープでやっちゃうと鳴けないんだ。これは簗場にいるコオロギ、ミツカドコオロギ。ぺちゃんこな顔してる。静かに夜になると「チッチッチ」とかわいく鳴く。これはオカメコオロギ。顔ぺちゃんこ。「リーリーリー」と鳴く。中国行くと虫たちも中国人の顔をしている。不思議ですよね。私がなんで描くかというと、よく見るからですよね。適当に見たら描けない。毛虫が8つの目があるなんてねえ。フランスのアメリカシロヒトリ見ても目が8つあるんだね。外国行ってもこういう一つ知っているだけでもたのしい。生き物っていうのは、その顔を見ればその歴史やいろいろな事、人間の生き方、お釈迦様の額のことまで考えさせてくれる。 だいたいお話は、今回はこれくらいにしていただかないと種がなくなっちゃうんで。等々力先生は私より沢山ご存じですので、また聞いてください。ありがとうございました。 野外観察会講演に引き続き、山小舎からパラレルスキー場にかけての周辺を散策し、説明を受けながら実際の植物や虫、ハッチョウトンボの観察会がもたれました。みんなで協力してワラビの山菜摘みも行われた。以下は説明にあった動植物(の一部)です。
=観察会中の説明から=
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・エゾハルゼミ | 「ミョーキン、ミョーキン、ケッケッケッ」気温が20℃以上になると鳴く。夜に幼虫が木を上って羽化する。抜け殻は背中をぎゅっと掴んで引けば、脚が取れない。ハルゼミは「ムゼー、ムゼー」と鳴く。 |
・ホトトギス | 「キョッキョッキョッキョ」南から20日ほど前にきた。 |
・オオカメノキ | 葉っぱがおいしい。ホワイトリカに漬ける人もいる。虫にかじられるので、ムシカリノキとも呼ぶ。 |
・ウリハダカエデ | 木の肌が真っ青で、キュウリ(ウリ)の肌のカエデの意。 |
・リョウブ | 木の香りがいい。爪楊枝のにおい。肌が黒いので「くろもじ」。雪解け直後に来ると、黄色い芽を出す。その芽を塩水で煮て、刻んでご飯にかけると真っ青な「リョウブメシ」。おいしい。 |
・オオバシナノキ | シナノキの葉の大きなもの。ヨーロッパでは街路樹で「リンデンバーグ」。 |
・ニガナ | 黄色い菊のような花。葉に苦みがあり、オヒタシにする。天ぷらにする人もいる。タンポポは「苦汁菜(くじな)」と呼ぶ。 |
・イヌツゲ | 女性の串の材料に使われる。 |
・コシアブラ | タラの芽と同じ、山菜の貴重品。葉が開く前に採る。 |
・ホオノキ | 味噌を包む、大きな葉。 |
・ヤマウルシ | 木の汁にかぶれるので、素手で触ってはいけない。タラの芽と同じで、天ぷらにするとおいしい。ウコギ科の仲間。 |
・ヨモギ | ミネラル、鉄分多い。貧血の人に良い(金欠にはダメ)。柔らかい部分を摘む。 |
・イタドリ | 酒石酸があるので、塩を付けて食べる。天ぷらで食べる。 |
・オオイタドリ | 標高1500m以上に見られる。 |
・ヤマブドウ | 実もおいしいが、芽を天ぷらにするともっとおいしい。茎はそのまま食べると酸っぱくておいしい。子供のチューインガムになる。 |
・アワフキムシ | 白い泡の中に虫がいっぱいいる。泡はタンパク質で甘くておいしい。タンパク質でできているので、蒸発しない。 |
・山の香り | フィトンチッド(布団チョット!)。ハーブの中でスギの香りが最高。母ちゃんの胸のポケットにスギを入れておけば、気が静まり、ヒスは起こさない。玄関にさしておくのもいい。唐松の芽のにおいは甘い。 |
・エゾギシギシ | 明治時代に牛の餌として北米から輸入。ギシギシ鳴る。北海道(エゾ)で使った。天ぷら、みそ汁の具にするとおいしい。ぬめりがあって、それが体にいい。 |
・フキ | 茎だけでなく、葉を漬けておくといい。天ぷらでもいい。 |
・マタタビ | 皆さんには教えない方がよいが・・・。実を食べると興奮するので、疲れても「また旅ができる」。 |
・ナナカマド | 実をリカーに漬けておくと、最高の精力剤になる。七回火にくべても燃えないから。 |
・エゾユズリハ | 新しい葉が出ると、去年の古い葉がその場所を譲って落ちていく。正月の縁起物として使う。山小舎周辺の唯一の常緑樹。 |
・ニッコウキスゲ | アブラムシがつく(甘くておいしい!)。つぼみは天ぷらに最高(アブラムシごと!)。等々力先生が苦労して殖やされた。 |
・スギナ | 葉を乾かして煎じて飲む。真っ黄色になる。ガンの予防薬にもなる。日本では腰痛の薬にしてきた。酸性の土壌に生える。 |
・ススキ | 真ん中の茎を静かに抜くと、やわらかい部分が食べられる。 |
・ドウダンツツジ | 等々力先生が長い間かけて育てている。植木屋で買ったら50万円や60万円ではダメ(もっと高い!)。 |
・露天風呂 | 等々力先生のお風呂。土足厳禁。地獄の釜よりもっといい釜。月も見える。 |
・ワラビ | 大きくなったのを石臼を使ってすりつぶすと、糊になる。しばらく皆さんで、ワラビ採りをしてください。 |
・トリアシ | 小さいのは山菜に最高。若い芽を逆さにすると、鳥の足に見える。 |
・ヤマソ | 菊の仲間でオオハンゴウソウ。葉っぱの天ぷら、おひたしにして食べる。 |
・ヤマナラシ | 葉がかたいので、風に揺れると「山が鳴る」。ヨーロッパの街路樹。 |
・ドウダイグサ | 毒草。きれいな物には近づかない。 |
・カシワ | 山の中で、もっとも乾燥した場所に見られる。柏餅をつくる。関東地方ではユズリハと呼ばれる。 |
・ショウブとアヤメ | 葉の中央脈の太く出ているのがショウブの仲間。黄色い花が咲くので、キバナショウブ。野原にあるのはノハナショウブ。アヤメは花にあや状の目がある。葉がのっぺらぼうなので、触ればわかる。節句のショウブは里芋の仲間で、違う種類。 |
・ハッチョウトンボ | 尾瀬ヶ原の八丁だるみで日本、世界で初めて見つかったトンボ。体の長さが1cm7mmくらい。雄は真っ赤。雌はお腹が太くて、少し黄色味がかって、背中に茶色の模様がある。雄の方が数が多い。長野県にもこんなに見られるところはない。 |
(記録 21期 松沢 邦之)
倉田 稔氏の「講演テキスト」より