第2章 手紙の書き方◆第6節 前文
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第6節 前文


  1. 「前文」には主に、時候とか、安否、感謝のあいさつを書く。
    社内用の手紙では、原則として、いっさい省略し、直ちに主文にはいる。
    社外用では、次の  の3種の中から適当に選択して用いるのが慣例になっている。

    一般的な安否のあいさつ

    貴(殿・社・店・行・所・家)ますますご(清祥・清栄・発展・隆盛・健勝・繁栄)のこととお喜(慶)び申し上げます。

    なお、「御社」「皆々様には」「各位には」で始める場合もある。

    時候のあいさつ

    社外用でも、会社対会社または官庁の法人に対しては、前文 1  の一般的なあいさつだけでよい。 原則として季節のあいさつは用いない。
    しかし、得意先の個人あてなどに季節のあいさつを加える必要がある場合には、次のような語句を適当に選択して前文 1 の前に書く。

      1月……厳寒の候  寒気殊のほか厳しい折から
      2月……余寒の候  余寒なお厳しい折から
      3月……早春の候  春まだ浅いこのごろ
      4月……春暖の候  春たけなわの折から
      5月……新緑の候  若葉の美しいこのごろ
      6月……梅雨の候  向暑の折から
      7月……盛夏の候  暑さ厳しい折から
      8月……炎暑の候  残暑なお厳しい折から
      9月……初秋の候  さわやかな好季節を迎え
     10月……秋冷の候  秋も深くなってまいりましたが
     11月……晩秋の候  向寒のころとなりました
     12月……初冬の候  歳末御多忙の折から

    感謝のあいさつ

    前文   と主文の間に、普通は次のような感謝の言葉をはさむことが多い。

    (ア) 特定の事柄に感謝する場合の例

    昨日は 種々ご教示にあずかり厚くお礼申し上げます。

    (イ) 一般的な感謝の言葉

    度々(毎度・常々・日ごろ・平素)格別の(ひとかたならない)お引き立て(ご厚情・ご愛顧・ご用命・ご指導)をいただき(賜り・受け・下さり)厚くお礼申し上げます。


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